本当の私は甘いかも。



「お前…偽物だろ?」



全身に得体の知れない衝撃が走った…ような感覚。



冷や汗が、背中を伝う。



「今……何て?」



聞き間違えだ…。


きっとそうだよ…聞き間違え、幻聴だよ。


でも私の願いは



「だから、お前は北川 有理とは別人だろ?」



一瞬で砕け散った。


「………はは。何言ってるの?私はどう見ても有理だわ。目がおかしいんじゃないの?」



動揺を頑張って隠し、有理お嬢様を続ける。



大丈夫…大丈夫…大丈……‥‥


「そんな目泳がせてよく言うぜ」



ぶっっ!!



お、泳いでたの?嘘、どうしよう…



「別に…そう!お前の顔を見たくないから逸らしてただけ!」



「ふーん」



納得したのか、してないのか分からない相づち。


すると大和は“何か思いつきました”という顔になって…


嫌な予感が…



「……なら、今日の料理どうだった?」



「えっ料理?」



「そ。感想は?」



???今日の料理の感想と、私が有理お嬢様かどうかとの関連性が見当たらないんですけど。



「えーと、凄くおいしかったよ」



ハテナマークを頭に散らしながら答える。



「じゃあこの前のは?」



次に大和が言った“この前”何て私が知るよしもなく…。



多分パーティーだしおいしいはずだよね。



「あれもおいしかったよ」




< 17 / 35 >

この作品をシェア

pagetop