本当の私は甘いかも。
「誰かーー!」
「西んんんっっ!!」
「黙れよ」
私の叫び声は後ろから伸びて来た手によって塞がれ、くぐもった声になる。
「んーんーん!!(はーなーせ!!)」
塞いでる手を叩いて、首を振って暴れて逃げ出そうとしていると
「大人しくしてた方が身のためだと思うけど?」
耳にフッと息を吹きかけられ、背筋がゾクゾクとして動きを止めざるおえなくなる。
「んっ!?ぅんんん!!(なっ!?何すんの!!)」
「ただ喋っただけだけど?」
うーーどうしよう。
身のためって……
正体をバラす意味…だよね?
いやそれしかないよね。
私はもっと暴れることはしないで、大和を見上げた。
このネタを持っている大和には逆らえない。