本当の私は甘いかも。
やっと口を塞いでいた手の力が抜け外されるが、それと一緒に下唇を指でなぞられた。
!!!
またゾクゾクが背筋を駆け抜ける。
「歌穂ってさ……あの女に見た目はそっくりなのに
そそるよな」
吐息混じりの声が私を包む。
それだけで、顔に熱が集まってあのドキドキが始まる。
「そ、そそる…?」
思考回路はパンク寸前。大和が言った事を繰り返すことで精一杯だった。
もはや、ふてくされていた、とか密室とか、吹っ飛んでどうでもよくなってしまう。
「そ。今だって耳真っ赤」
大和に指摘されますます赤みを増した気がする。
やっやだ。恥ずかしい。
とにかく、耳を両手で隠した。
「そうやって恥ずかしがってるのも……ねぇ?」
ねぇ?って私に聞かれても困るよ。
意味わかんない。
「し、知るか!」
「知らなくていいし」
私はチラリと大和を盗み見すると、余裕な笑みを浮かべていた。
くっそ~~なんかムカつく!
私は耳から手を離して再びドアのぶに手をかけ、力任せにガチャガチャを開始。