本当の私は甘いかも。
私は脳をフル回転させて思い出す。
確かお母さんが一流デザイナーでお父さんが…そっか『right』の社長で彼はその二番目の息子で……。
名前が………
「鏡 守(かがみ まもる)様がお越しになりました」
それだ!
西条さんが気を利かせて名前を言ってくれたお陰で助かった。
鏡 守って、私…じゃなくて有理お嬢様ともの凄く仲が良いんだよね……。
またキツい設定だな。
「今日は、いつものように『right』の新作のカタログをお持ちになって下さいました」
西条さんありがとうございます。
さらりと説明を入れてくれる西条さんに心から感謝する。
「それでは失礼いたします」
西条さんは一礼してから部屋を出て行った。
「有理久しぶりだね。ついでに大和も」
「ついでは余計だ」
大和は一瞬守をみたけどすぐにそらして冷たく言い放つ。
「冷たてぇなー」
あれれ…この2人って実は仲悪い?
「つか有理と大和いつからそんなに仲良くなったんだよ?」
「へ?」
首を傾げながら2人を見比べていた私は急に話を振られて、すっとんきょんな声を出していた。
しかもその内容が“いつから仲良くなったんだ”だから余計にそうさせた。
「え…どうして?」
「だって大和が有理の家にいるし隣に座ってるし…どうした?今日雪振る?」
た、確かにおかしい…うん?
隣?
私はばっと隣を見るとそこには大和がしっかりいて、急に恥ずかしくなった。
無意識に隣に座ってたぁぁぁぁ!!
ミスった!
私は咄嗟に立ち上がり、訳も分からず咳払い。
「これは、まぁ色々あって和解したの。それだけよ」
落ち着け自分!有理お嬢様はこんな慌てない。
「まっそーゆーことだ」
「ふーん。そっか」
大和が私に同意したことで守も信じてくれたみたいだ。