本当の私は甘いかも。




カタログを見ながら喋っていたらあっという間に2時間も経っていた。



はぁ~楽しかった。


これは西条さんにお願いして買ってもらおうかなー♪



途中でメイドさんが持ってきた紅茶に砂糖を三杯入れて、口をつける。



風味がよくて砂糖の甘さとマッチしていて美味しい。



「カタログどうだった?」



「凄く良かったよ」


「まぁまぁ」



大和の上から目線の評価に守がムッとした顔になった。



「うわっ相変わらずうぜー。お前の所より絶対いい」



守の発言に大和は鼻で笑う。



「勝手に言ってろ」


うわっこれはムカつくね。



隣で2人の言い合いを聞きながら、また紅茶をすすった。



「でさー聞きたいことあるんだけどいい?」



言い合いを終了させた守が私の方に顔を向ける。



「いいよ。何?」



「君は誰なの?」



ぶっっ



思わぬ問いかけに紅茶を吹き出しかけた。



もう少しで守の顔面にかけるところだった……。



「大丈夫?」



「うん大丈夫大丈夫……ま、守が急に変なこと言うからだよーあはは」



なんとか笑って誤魔化そうとするのも



「で、誰?有理そっくりだけど違うよね?」



確信を持って守は言う。



「……何でそう思うの?」



「有理は服とか興味ないみたいでいつもカタログなんて超高速10分で読み終えるし、紅茶に砂糖を入れるなんて邪道だっていつも言ってたし、あとは雰囲気とか…かな」



………。



何も言えねぇ。



じゃなくて、流石有理お嬢様と仲が良いだけあって色々知ってる。



でもバレるわけには……



私は助けを求めて大和に目を向けるも



「諦めろ。こいつは騙せない」




と首を左右に振る。
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