本当の私は甘いかも。
「………はぁ」
またバレてしまった。
自然とでた溜め息と一緒に素がでる。
「私は立花 歌穂って言う名前で有理お嬢様の代わりをしているの」
「へーやっぱりそうだったか。でも何で代わりなんてしてるの?」
「えーと実は…」
守の問いかけに、有理お嬢様の代わりになるまでの経緯をざっと説明した。
話し終えると守は納得したように頷く。
「有理もダメだな…全く。歌穂大変だね」
「うん、まぁ。でも意外とお嬢様ライフを楽しんでるよ」
私はにこりと笑ってみせる。
「でも…このこと知ってるのって俺と大和だけ?」
「あと西条さんもだよ」
「ふーん。西条も知ってるんだ……。俺と歌穂だけの秘密が良かったなー」
守は残念そうに呟きながら、大和に目を向けた。
大和もその目を見返し、睨み合いで火花が散る。
この2人急にどうしちゃったの?
私が困惑した状態で2人の様子を窺っていると、不意に大和の手が私に延びてきて腕を掴まれ引かれた。
突然のことで身構えてなかった私は引かれるままに大和の胸にぶつかった。
ぎゃっ痛っ!
「こいつにちょっかいだすなよ?」
離れようと必死の私をよそに大和と守は未だ睨み合っている。
「それは分かんないよー。大和がそこまでする子なら興味倍増なんだけどな♪」