本当の私は甘いかも。
1章秘密

社長と対面




「…………」



鏡に映る自分を見つめ私は固まっていた。



高そうな薄いピンク色の生地に白いレースの模様が袖や胸元に刺繍されているワンピースを身にまとい、メイクもプロの方にやってもらった私。



今ここにいるのは立花 歌穂ではなくて北川 有理だった。



「それでは立花様…いえ有理お嬢様。参りましょうか」



そして私は社長に会うため緊張しながらそっと扉を開け歩き出した。





さて私が何故社長といきなり合うことになってしまったかといいますと…



30分前、車内にて…



「で、説明お願いします」



私は広い、広すぎる車内でおじいさんに迫っていた。



「かしこまりました。それでは…そうですね、何故有理お嬢様の代わりが必要か、ということをご説明いたします」



おじいさん、こと名刺に書いてあった名前は西条。



西条さんは一旦言葉を切り、ゆっくり話し始めた。



「有理お嬢様は社長の1人娘でそれは溺愛されて育ってきました。そのためとても心の優しい…時にとてもお元気な子になりました」



……つまり時におてんばってことね。



「それで有理お嬢様が3日前に突然姿を消しまして、置き手紙がありました。それには“家にいてもつまらないから、テレビで見た国に行って来る。いいか絶対捜すなよ。私の代わりは見つけている”と書いてあり、地図が載っていました」



「それが私の家だったんですね…」



西条さんはコクリと頷いた。



てかお嬢様も突然だなぁー、いきなりテレビで見た国に行ってくるなんて…元気すぎじゃん。



ある意味関心してしまった。



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