本当の私は甘いかも。


でも、有理お嬢様が私を見つけることが出来るなら西条さん達だって有理様のことぐらい簡単に見つけ出せそうだけど。


そう思い首を傾げていると


「社長であり有理お嬢様のお父様であられる北川 一郎(きたがわ いちろう)様はとにかく有理お嬢様無しでは何も出来ないのです。以前に何度か有理お嬢様が急にに居なくなった事がありましたが、その時は仕事を放り出し全社員に有理様の捜索を命じて、警察は勿論他の繋がりのある方々に片っ端から協力を要請するしまつです」


西条さんが話を続ける。



その西条さんの顔には困っているという感情が読み取れた。


うわー社長有理お嬢様LOVEすぎる…。



「今回もそうすればすぐ見つかると思いますが…恐らくさらに大変な事が起こることが予想されます」



「さらに大変な事?」



その社長なら、何でもやっちゃいそうだな。



「有理お嬢様が海外にいるのは確かです。そこで、有理お嬢様がその国で見つかった場合一郎様は必ずその国が有理お嬢様を誘拐したと思われるはずです。そうなれば、一郎様は全権力を使いその国を潰しにかかり国際問題にも発展しかねないのです…」


私は唖然としてしまっていた。



いくら何でもやり過ぎだよ!被害妄想で国を潰すなんて…。


「そこで、有理お嬢様が海外に行ってしまわれたことは現在一郎様には伏せており、一郎様に漏れてはいけないのでこの事実を知っているのもごく一部の人間だけです。なので有理お嬢様の捜索も容易ではなく、このまま家に有理お嬢様がいないとなれば一郎様に気が付かれてしまう最悪の事態になってしまいます」


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