緋~隠された恋情
食堂に行くとテーブルをふいている真央さんがいた。

「こんばんわ、真央さんお手伝いに来ました。」


「ありがとう!助かるわ。コロッケ持ってきてくれたの?」


「はい。」


「じゃあ、コロッケ載せてラップして棚に並べてもらえる?」


「はい。」


真央さんがテーブルをキュキュっと拭いて

ため息をつく。


「なんかあれよね、

 こういうのも長くなると疲れてくるわね。」


「え?」


「半分ボランティアじゃない。

 一食300円は材料費にしかならないし、

 うちとか開店と重なるから、

 人手が足りなくなるから、

 その分、人を雇わなくちゃで、

 はっきり言って、マイナスなの。」

「はあ。」

なんて言っていいかわからず、

間の抜けた返事……
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