緋~隠された恋情

「はっ」

パーキングの車に乗りシートベルトをつけると、

思わず息を吐いた。

それにしてもひどい女だった。

ホテルに入るなり服を脱ぎ始め、絡みついてきた。


自ら俺を咥え込み、自ら腰を振る。


何度も欲しがりよがる姿に

良く勃つものだと自分にも呆れた。


それでも目を閉じ、ありさを思い

精を吐き出した。


いまだまとわりつく女の肌の感触に鳥肌が立つ。



結局誰でも同じだったのかもしれない。

ありさ以外の女を抱いても何も感じない。


この先女を抱く度に、

こんな感じを味わうのだろうか。


ありさの肌と比べて

ありさの感じと比べて

そしてそれと違う女に嫌悪するのか?


ありさ。

お前を手放した俺はいったいどこへ行こうとしているんだろう。




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