緋~隠された恋情

キイーーーーーーーーー

軋むドアを開けると、

今まで生きてきた多くの時間を過ごした家。


目を閉じたって何がどこにあるかわかる。


俺の居場所

俺の家。


ここは俺の一つの人生を終わりにし、

ひとつの人生を始めたその場所。



ありさをベッドにおろし、

布団をかける。


「うん…」


そう言って

ころんと丸くなった。


愛しい俺のありさ

俺の妹


「ごめんな」


そっと髪をなでて立ち上がった。

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