緋~隠された恋情
一人になって半年が過ぎていた。
私は、平凡な一教員としての毎日を送っている。
まるで今まで、あったいろんなことがなかったかのように。
私が退院して、酔って告白した夜
お兄ちゃんは出て行った。
いろんな手続きは終わっていて、
一緒に探そうと言っていた部屋も、
候補を絞ってあり、
不動産屋さんに連絡すると、
すぐに借りられるようになっていた。
引越し屋さんまで手配済みで、
何から何まで、私が困らないように先回りしてあって呆れた。
おかげでぼんやりしながらも、
全てが滞りなく済んでいった。
あくまで、兄であろうとしたお兄ちゃんを
私は結局追い出してしまったのだろうかと悩んだけれど、
前進するためにはきっと必要だったのどろうと、
いつか私の前に戻ってきてくれると、
そう思うことにした。
待つのは辛いけど、
でも、私たちは繋がってる。
私からお兄ちゃんへ輸血した血液が
お兄ちゃんの体の中でをめぐり、
お兄ちゃんの輸血した血液が
私の中を巡っっている。
緋色の感情が血液となって
お互いの体内を染めていくのだ。
体の構成するものがお互い色で染まったらきっと
私たちはまた繋がれる
今度は兄妹じゃない違う存在として…