緋~隠された恋情
化学部顧問の私は

来週末のロボコンの予選会に出るため、

日々頑張って制作する生徒の指導をしている。


金曜で、いつもより残りたがる生徒たちを

なんとか帰した頃には7時半を超えていた。


「うわ、大変。」


職員室に戻ると、

携帯の着信が派手に光っていた。

山田先生からの着信は5件を超えていて、

後で、ぐちぐちと言われるのは目に見えていた。


ああ、行きたくないなあ。


でも、水樹先生に悪いし、

しょうがない山田先生の雷は覚悟で、

会場の居酒屋に向かった。


居酒屋、紋太ののれんをくぐると

貸切状態で盛り上がる先生たちの姿があり、

私抜きでも大丈夫だったかな、なんてホッとした。


「あ~待ってたわよう!

 仲野さん仕事終わらなかったのねお疲れ様あ!」

山田先生はご機嫌だった。


「仲野先生、良かった来てくださって。

 すみません先に参加費お願いします。」


水樹先生があたしを見つけて、やってきた。


「山田先生ご機嫌ですね。」


「そうなんです。気に入った方がいらしたみたいで、

 良かったです。」


苦笑いを浮かべながら私を席に案内してくれた。


テーブルの上には私の分にたくさんの調理が取り分けられていて、

私はウーロン茶を頼み、その料理をつつき始めた。




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