緋~隠された恋情
ざわざわと食堂に他の人が入ってきた気配を感じながら、
店舗に戻っていった。
「ご苦労様。」
全部売り切れたようで、兄は店じまいをしていた。
「随分早く売り切れたのね。」
「うんそうだな、
もう少し仕込んで置けばよかったかな。」
「売り切れるくらいがちょうどいいのよ。
簡単に手に入らない方が、
女心をくすぐるのよ。」
お兄ちゃんはハハッと笑って
「女心とは、
ありさも言うようになったな。」
「もう、いつまでも子供扱い~」
「ば~か、わかってるよ。
立派な大人だもんな。
婚約者までいて、
俺よりずっと大人だ。
で?
いつ結婚するんだ?」
「さあ?
まだ、お互い生活が落ち着かないから、
それに、お兄ちゃんと違って若いしね
多分まだまだ先ななると思うよ。
なあに?
追い出したいの?」
「いやいや、こっちはありさがいてくれると助かるから、
でも、つい頼っちゃうからな。
うん、助かってるホントに」
「でしょ?」
「でも、覚悟はしなくちゃな?」
「また~」
ふざけているように見えるかもしれないけど、
よく言う口癖の様な兄の言葉。
私の心にくさびを打ち込んでるんだってこと、
お兄ちゃんは知ってるのかしら?
店舗に戻っていった。
「ご苦労様。」
全部売り切れたようで、兄は店じまいをしていた。
「随分早く売り切れたのね。」
「うんそうだな、
もう少し仕込んで置けばよかったかな。」
「売り切れるくらいがちょうどいいのよ。
簡単に手に入らない方が、
女心をくすぐるのよ。」
お兄ちゃんはハハッと笑って
「女心とは、
ありさも言うようになったな。」
「もう、いつまでも子供扱い~」
「ば~か、わかってるよ。
立派な大人だもんな。
婚約者までいて、
俺よりずっと大人だ。
で?
いつ結婚するんだ?」
「さあ?
まだ、お互い生活が落ち着かないから、
それに、お兄ちゃんと違って若いしね
多分まだまだ先ななると思うよ。
なあに?
追い出したいの?」
「いやいや、こっちはありさがいてくれると助かるから、
でも、つい頼っちゃうからな。
うん、助かってるホントに」
「でしょ?」
「でも、覚悟はしなくちゃな?」
「また~」
ふざけているように見えるかもしれないけど、
よく言う口癖の様な兄の言葉。
私の心にくさびを打ち込んでるんだってこと、
お兄ちゃんは知ってるのかしら?