緋~隠された恋情

夢でもいい

~夢でもいい~


どのくらい経ったのだろう。


私は泣き疲れてそのままお兄ちゃんの胸の中で眠ってしまった。


お兄ちゃんはそのまま私を抱きしめた格好で

グーグーと寝息をたてていた。


通った鼻筋、女の子みたいな長いまつげ、

相変わらず綺麗な顔。


でも、くすっ


ちょっとやっぱ年取ったねえ。


もうジョニーズには入れないね

もう私の側にいるしかないよ~お兄ちゃん。


鼻をぎゅうっと掴むと、


「ふがっ」っと言って

大きなタレ目をパチリと開けた



「お。おお目が覚めたのか?」


「こっちのセリフ。」


お互いに顔を見合わせてふふっと笑った。


懐かしい。


そうだったね私たちはこうやって寄り添って生きてきた。




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