緋~隠された恋情
「利害の一致かぁ。怖いねえ今時の子は。」


平は呆れた顔で、あたしを見ながら

手は私の胸の中心を弄ぶ。


パチンと手を払いのけ、

「さっき言ってたけど、

 私が誰と婚約しようと、結婚しようと、

 植木先生には関係ないでしょ?」

「そうでもないだろう?

 俺がありさを女にしたんだし。」


「じゃあ、聞くけど、

 植木先生はなんで私を抱きたいの?」

と聞くと。


「それは好きだからでしょ?」

とニヤリとする。


「セックスしているとき他の男の名前を呼ぶ女を好きなの?」


「いやいや、できれば俺の名前呼んでほしいけどね。」


「無理。だって私、

 植木先生とエッチはしてるけど、

 植木先生自身に愛情はないもん。


 大体先生は、性格は最悪だしね。」


「お前、言うようになったなあ、

 昔は人形みたいに素直で可愛かったのに。

 いつも泣いてたよな。

 終わった後、

 うっとおしかったっけど、

 征服感がたまらなかったのに。

 まあ、

 お前のそのひねくれた性格は、

 俺のせいってことかな。」


「知らないわ、

 どうでもいいわよそんなこと。」


まあ、一番最悪なのは私だということよ。





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