緋~隠された恋情
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「コロッケイベント?」

「そう、夏のイベント企画よ。

 電力会社とのコラボイベントなの。

 親子で料理を楽しむみたいな企画とか

 それで、

 例の逆輸入コロッケを使った料理とか、

 あげたてを配るとか

 この間の企画を、試しにやったらってことになって、

 どう思う?」


「実際に食べてもらって反応を見るってことですよね?」


「どう?あなたがやりたいととは違うかもしれないけど、

 でも、冷食コロッケだっておいしいあげ加減とかで、

 味が違うでしょうし、

 あなたがやりたいこと、

 この際だから企画を書いて提出してみたら?」


「あの、それはもしかして?」

「ん?どうしたの?」

「……やってみます。」


「うん。よろしくね。」

鮎川さんはきっと自ら企画を立てて、

役員会に出してくれたんだ。

自分の仕事の合間に俺のために、

情けない俺、

もう少し前向きにならなければ。

イベントの企画か、

俺に出来るだろうか。



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