緋~隠された恋情

本当の結婚

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『本気で結婚しないか、俺たち。』



新ちゃんの言葉

思い出す。



耳が熱い。


プロポーズみたいなことは、

もう、ずうっと前にされていて、

けど、

私もあやふやなままで、

何かが変わったと言えば、

身体の関係。


兄妹として一線を引いていたお兄ちゃんが、

お互いに気持ちを確認して、

恋人として暮らすようになって随分たつ。


もともと一緒に暮らしていた私たちにとって、

それは大きな変化では無かったけれど、

ベッドが一つになり、

心も体も寄り添うことは、

今までの大きな寂しさや穴を埋めるのには

私たちにとって満たされた状態だったから、

別に形式にこだわる必要を感じてなかった……


と、言うか、


そう思い込もうとしていただけなのかもしれない。

いつか、



『 二人で本当の家庭を作りたい 』


私たちにとってそれは大きな夢だったのだから。







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