緋~隠された恋情
「ありがとうございました。」

生徒のあいさつの後、

「ああ、このプリントは中間に出るから、

 しっかり復習しておいてね。」

「ええ??仲野先生、

 何番?

 まさか全部やれなんて言わないよね?」


「もちろん、全部です!」


ギャー


生徒の悲鳴を背中に教室を後にする。

授業もだいぶ軌道に乗ってきた。

もう、中間かと思うと、

生徒も気の毒になる。

昨日テストを作って、

今日そこを含めた復習プリントを配った。

これ一枚がっつりやれば八割はとれるけど、

どうかなあ?

首をかしげながら、

職員室のドアを開けると、

「あ、先生携帯鳴ってましたよ?」

隣の席の

数学の原森先生がコーヒーを手に

机の上を指差した。

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