緋~隠された恋情
お互い一人暮らしで、

偶然にも上の階の住人だということが判明し意気投合し、

お互に身の上話をしながら

コンビニで買ったものと、缶入りのアルコールで

やけに盛り上がった。


そして、偶然にも俺たちは、

女性を愛せない性質の人間であったことを知ったのだ。


そして傷を舐めあうように

どちらともなくお互いを求め合い、

絡み合い。


今まで、

自慰でしか感じることなできない快感を

人の手によってもたらされた喜びを味わった。


さっきまで、ありさへの思いなどどこかに消え去り、

快楽におぼれていった。




 




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