緋~隠された恋情
高校をやめて、
笑顔で家を守るなんて、
俺からすれば馬鹿らしい愚行。
なのに明るく生きるやつ。
その源が妹のありさだと知ると、
俺の興味関心はそいつにもおよんだ。
普通の女子中学生だった。
ガキ臭くて魅力一つない。
なのに、あいつと一緒にいるそれだけで、輝いていて見える。
俺はそれがたまらなく許せなかった。
血も繋がらないくせに妹づらして当たり前のように
あいつの隣にいるのが許せなかった。
あいつの愛情が注がれているのが憎らしかった。
ありさを俺のものにしたら、
新はどんな顔をするだろう。
あいつの顔が醜く歪むだろうか。
あの真っ白なあいつが憎しみで黒く染まるだろうか。
少しずつ、
そして周到にかつ巧妙に俺は計画を実行していった。