緋~隠された恋情

高校をやめて、

笑顔で家を守るなんて、

俺からすれば馬鹿らしい愚行。


なのに明るく生きるやつ。


その源が妹のありさだと知ると、

俺の興味関心はそいつにもおよんだ。


普通の女子中学生だった。


ガキ臭くて魅力一つない。


なのに、あいつと一緒にいるそれだけで、輝いていて見える。


俺はそれがたまらなく許せなかった。



血も繋がらないくせに妹づらして当たり前のように

あいつの隣にいるのが許せなかった。



あいつの愛情が注がれているのが憎らしかった。


ありさを俺のものにしたら、

新はどんな顔をするだろう。


あいつの顔が醜く歪むだろうか。


あの真っ白なあいつが憎しみで黒く染まるだろうか。


少しずつ、

そして周到にかつ巧妙に俺は計画を実行していった。

< 83 / 238 >

この作品をシェア

pagetop