鬼畜店長


「なんていうか、お前ら面白いな。」



ぽそりと呟かれた言葉に首をかしげる。

何も面白いことなんてしてないよ店長?



「オレも馬鹿だなあとは思ってるんですけど、まあ仕方ないですかね。」



うんうんと頷く男二人に、話についていけてないのはあたし一人だと理解する。


なんで二人だけで納得してんだ。



「どういうことですか?」


「…どーもしねーよ。お前はそのままでいいと思うぞ。」


「店長、今の褒め言葉ですか?」


「さぁ、どうだろうな。そろそろ他の客の目もあるし、ちゃんと仕事するか。これ2番テーブル。」


「…?はーい。」


「オレ、そろそろ帰ります。会計いいですか?」


「ちょっと待ってて、これ置いてきたらするから。」



2番テーブルに料理を届けてカウンターに戻ると、何やら真剣な顔で店長と話すイケメン野郎。



「…お会計する?」


話しかけるとあっという間にいつもの顔に戻って、さっさと支払してあいさつもそこそこに帰ってしまった。



「なに話してたんですか?」


「それは男同士の秘密の話だから教えらんねーな。」


「あ、品のないネタですか。」


「ちげーよ馬鹿か。」


「あ、明日結局どうするんですか?」


「1人で行くっつーの。」


「寂しくありません?」


「完全に今馬鹿にしたよな?ケンカ売ってんだよな?」


「違いますってばー」




せっかくうちのじいちゃんたちとおそろいのベストおすすめしてあげようと思ったのにな。 



END




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