鬼畜店長
本気の目をしていらっしゃる。


「店長知ってましたか?今日は秋分の日なんですよ」


「…だったらなんだよ?何その目」



何ってもちろん、またもや国民の祝日にこのなんだかよさげなバーに働きに来ているあたしの不満たっぷりな目ですよ。



「お前この土日に泊まりでバーベキューしてきたっていってたじゃねーか。その分今日働いてもらうのは当然だろ」



まぁそうなんっすよね。

この土日は、サークルの仲間たちとちょっくらバーベキューなんて大学生みたいなことしてきたわけですが、二日連チャンで休みもらったら見事に今日シフト入れられましたよ。


ご先祖様には午前中のうちにお墓参りに行ってご挨拶してきたから大丈夫なんですけどね。




「そういえば、イケメン君に『店長に気を付けろ』ってなにやら意味深に言われたんですけど、店長あいつになんかしたんですか?」


「…なにもしてないけど」


「じゃなんであんなこと言われたんですかね?店長が危険人物だなんてとうの昔に気づいておるわ!」



「危険人物ねぇ…ま、いつだってお前の首キレるってことに関してはその通りだわな」


「え、そこもですけど、あたしが言ってるのは店長の鬼畜さに関してですよ?もー自覚ないなんてこーわーいー」


「お前本当に俺にケンカ売るの好きだよな。シフトいじる権限が俺にあるってこと忘れたわけじゃねーよな?週休0日がお望みなら早くそう言えよ」




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