鬼畜店長
馬面でいらっしゃる。
「お前、今日は飲み会じゃなかったのか…?」
「ててて店長!飲み会ですとも!ただ、なぜか会場がここになっていまして、あたしにはその連絡がついさっき回ってきたのです!断じてあたしのせいじゃないですからね?!誤解しないでくださいよ!」
10月31日。
今日は大学のスポーツフェスタが終わっての打ち上げがあるという話は店長にも前にしましたよね?
場所はまだ決まってないとかなんとか言って、ずっと教えてもらえなかったんですよ。
そして、今日になってふたを開けてみれば、なんということでしょう。
このなんだかよさげなバーで仮装して打ち上げという、店長がものすごくウザがりそうな企画が採用されていましたとさ。
それを聞いたとき思ったね。
あーあたし、終わったなーって。
「…で、なんなのその馬鹿みたいな恰好は?」
「馬です」
「……ごめん、もう一回いって」
「馬です……仕方ないじゃないですか!これしか道は残されてなかったんですよ!今日急きょ仮装してこいなんて言われて、そんな簡単に仮装セットそろえられるかって!苦肉の策なんですよ!!」
苦肉の策で普通の私服に馬の被り物させられたんです。
なんてアンバランス!
「その馬の被り物を準備できただけでスゲーと思うけどな」
「これはイケメンに渡されたんすよ!あたしが持ってるわけないじゃないですか!」
「いや、お前なら普通にもってそう。で、そのイケメン君はどこ行ったんだ?」
「そこにいるじゃないですか。あのかわいらしいキグルミさんですよ。チョッパーさんですよ」
「…普通、逆じゃね?」
「……ですよね。あたしもそう思います」