鬼畜店長
「あ、店長さん、今日はよろしくお願いしますね!」
あたしたちの会話が聞こえたのか、随分とかわいらしいキグルミをきたイケメンがこちらに近づいてきた。
本当はあたしがそっち着たかった!
馬やだやだ!
「オレらはどこに行けばいいですか?」
「あー、奥の、前つかったVIP席入れ。お前らみたいな馬鹿集団を他の客の目に触れさせたくない」
「ええーヒドイっすねー。こんな可愛いのに!ハロウィンなんだからいいじゃないですか」
「よくねぇ。全くもっていいわけがない。てか、なんなんだよこいつ。馬って」
「ほら、オレと二人で馬・鹿コンビっす」
「あー、なるほどな」
「店長!納得しないでくださいよ!てかお前のそれは鹿じゃなくてトナカイだろ馬鹿!」
「まぁ細かいことは気にスンナ。ほら、もうみんな移動するぞ」
「……ちょっと店長とお話したら行くから先行ってて」
「じゃあドリンク勝手に決めとく」
みんなの後ろについてVIP席へと向かうイケメン。
なにそのコンビとか。
マジやめてくれよ心臓痛いから。
ドリンクだってどうせあたしの好きなもん選んでくれるんだろ馬鹿。
「…お前、馬面の中で今すげーそわそわしてんだろ」
「…そんなまさか。今渾身の変顔披露中ですよ」
「それはそれでどうかと思うけどな」