鬼畜店長
そのままなんだか変な店長はそーっとしておいて、自分のお仕事に集中。
たまに視界に入る店長はやっぱりそわそわしてるけど、珍しいのでそのまま観察することにした。
いつもはカウンターでお客さんとおしゃべりするけど、それすらままならないようなので、お客さんの相手はあたしが引き受けた。
店長はひたすらオーダーされたものと向き合っているが、いつもの余裕が見当たらない。
本当になんなんだろう。
そんなこんなで店長を観察しつつ仕事をこなし、あっという間にcloseを出す午前1時。
と言っても最後のお客さんが出てから片付けを始めていたので、もう半分は済んでいる。
今日はいつもより早く帰れそうだ。
…居残り通告されたんだった。
黙々と片づけをしている店長に眼を向けると、いつもの倍のスピードで仕事が進んでいるのか、もうすぐ片付きそうだ。
いつもそのくらいのスピードでやってくれるとありがたいんだけどな。
ホールがあらかた片付き、キッチンに入るとこちらもあとは帰る準備だけ。
着替えも済ませて残りは戸締りをしたら完了。
「店長、今日は仕事が早いですね」
「いつも早いだろ」
「いつも以上に早いです」
「それはどうも。……お前、明日大学午後からだよな」
「ん?はい、4限なんで」
「…じゃあ飲むか」
「はい?」