鬼畜店長
店長とイケメンくんが何かをしゃべっているのはわかるんだけど、その内容は全く耳に入ってこない。
ちなみに今目は開いていないけど、これは寝てるんじゃなくてちょっと休憩してるだけだから。
瞼さんがちょっと疲れちゃったって言うから休憩させてるだけだから!と、誰にとも言えない問答を自分の中で繰り広げていると、体を動かされてびっくりした。
瞼さんの休憩を中断させて目を小さく開くと、誰かの背におんぶされるところだった。
「てんちょ…?」
「あ?起きたのか?なら自分で歩け」
「おんぶ…」
おんぶなんていつぶりだ?記憶にないぞ。
「…甘ったれ」
そのあと体が持ち上げられる感覚があったと思ったら、少ししてすぐにおろされた。
ここはバックヤードのソファーか。
あれ、そういえば、「あいつは…?」
「あぁ?お前の愛しの彼にはお帰りいただいたよ。ったく、なんで俺がこんなことしなきゃなんねーんだ。お前、大人しく寝てろよ。あとで起こしてやっから」
店長の言葉にうなずいたあと、もう瞼さんが限界を訴えてきたので、素直に目を閉じる。
ふわっと何かをかけられた感覚がした後、なんの物音も聞こえなくなり、あたしは完全に意識を手放した。