鬼畜店長
「そんなことはどうでもよくてだな。お前ら実際なんなの?そんなにイチャついて俺にケンカ売ってんの?」
急に真面目モードになったと思ったらそんなことを言い出すから困ってしまう。
「売ってないですよ。こんなの日常茶飯事じゃないですか」
このイケメンを構うのも構われるのも、もうあたしたちの中では日常だ。
相方みたいなものだからこればっかりはどうしようもない。
「オレは売ってますけどね」
「売ってるんかーい!」
去年のクリスマス以来、こんなやりとりをたまにかますこの相方。
そのたびに店長が揺さぶられてるからいい加減やめてほしいのだが、「このくらいのことなら許されるだろ」という独自の物差しで店長をからかうイケメンはかなり意地の悪い性格だ。
普段はあんなに爽やか気取りなくせに、たまにこんな子どもみたいな意地悪を仕掛けるなんて、ギャップ萌えでも狙っているのだろうか。
あたしだったら普段意地悪でたまに優しいっていうギャップの方が萌えるけどね!
誰とは言わないけどね!