鬼畜店長
「…お前ってたまにどストレートに恥ずかしいこと言うよな…」
耳を赤く染めた店長が照れたように言うので、自分が言った言葉を反芻してみると、あらびっくりものすごい恥ずかしいこと言ってるよあたし。
「てて、てんちょ…!今のはですね、その、あの、お口が勝手に!」
「そうかそうか、お前俺のことそんな風に思ってたんだな。じゃあ今日はそんな自慢な店長さんが特別サービスででろでろに甘やかしてあげようじゃないか」
「店長、ニヤニヤしすぎて怖いよ!どうしよう迫りくる恐怖!というかもう眠いんですけどあたし!」
「どうせ夏休みで大学もないんだからいいだろ別に。人の好意は素直に受け取れ馬鹿」
「え、あたし甘やかされたいとか言ってな…ちょ、店長、そんな全力で頭ぐりぐりしないでください!苦しい!お腹苦しいっす!内臓への攻撃はやめて!」
甘やかしてやろうとか言って人の腰に抱き付き、お腹に頭をぐりぐりしてくるこの大人は一体全体なんなんだ。
あれ、これ甘やかすってより甘えてないですか?
「…店長、甘やかしてくれるんじゃなかったんすか?」
「気が変わった」
「変わり身早すぎるでしょそれ」