鬼畜店長
「行くのはいいんですけど、店はどうするんですか?日帰りで間に合います?」
「別に俺いなくても平気だろ。飯つくれる奴声かけとくし」
「それなら行けるって返信しておきますね」
いやー、店長を家に連れていく日がくるとは。
そのうちあたしも店長のお家とかいけるのかな?店長のお母様あってみたいなー。
「お前の父ちゃんって芸人なんだっけ?」
「それ店長の脳内でだけですから!そんなこと一言も言ってないじゃないですか!お父さん真面目な銀行員!」
いつまでそのネタ引っ張るんだこの人は。
「あーそうだった。手土産とかなにがいい?」
「なんで手土産聞く前に芸人かどうかの確認したんすか…」
「だって、芸人ならなにかしら笑い取りにいかなきゃだろ?」
「…それ完全に店長の偏見ですよ。手土産なんていらないと思いますけどね」
「いやダメだろ。俺がもし父親で、娘の彼氏が初めて会いに来るときに手ぶらで来たらなんだこいつって思う」
「ほー…そんなもんですか?」
「そんなもんです。ま、それは行くとき考えるか。てかお前いい加減布団から出ろよ。いつまで寝てる気だ」
「だってこの暑くもなく寒くもない、寝心地最高の時期は今しかないんですよ?できるだけ堪能したいって言うのが人間の性です」
「じゃあ俺ももう少し寝よ」
「ダメです。店長入ってきたらこの丁度いい温度が狂ってしまうじゃないですか」
「嫌がる人間にわざと嫌なことしたくなるのも人間の性だよな」
「それは店長の特殊な性ですよ!うわぁ抱き付くな暑くなるじゃないっすか!」
「ぬくぬくでいいだろ」
「店長ってたまにものすごく可愛い擬音使いますよね」
「これが所謂ギャップってやつだ」
「そうかこれがギャップか」
なんてどうでもいいところでギャップ出してくるんだ。