鬼畜店長

その後、リビングでじいちゃんばあちゃんも加えて、お互いの紹介だったり近状報告だったり。



ばあちゃんは「テレビの人かい?カメラは来るのかい?」とずっと聞いていたが、残念ながらカメラは来ないよばあちゃん。


じいちゃんはニコニコとお茶をすすっている。



敬老の日のプレゼントを渡したら二人とも喜んでくれたからよかった。




「あなたたちいつから付き合ってるの?」

「去年のクリスマスからだよ?」


「あら、ならもっと早く連れてきてくれればよかったのに」


「ご挨拶が遅くなってしまってすみませんでした」


「あーいいのよ別に。ただ、こんなにいい人ならもっと早く仲良くなりたかったなぁってだけだから」


「そう言っていただけると嬉しいです」



店長の悪意ゼロスマイルがまぶしいぜ!

ちょっと余所行きスマイルだが、店長も緊張してるんだろう。



「店長さん!今日は泊まっていくの?」


「え、店長、帰るよね?」


「帰っちゃうの?!」


「泊まりの用意なんてしてきてないし、仕事もあるし」


「そうだよね。本当なら一緒にお酒でも飲みたいけど、仕方ないね」



お父さんもなんだかしょんぼりだが、今回ばっかりは仕方ない。


というか、初対面で家に泊めようとするなんて、なんて強引な家族なんだ。





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