鬼畜店長

今日は12月24日。
まごうことなくクリスマスイブである。


日本におけるクリスマスなんて、恋人たちや家族のために用意された一つの年間行事でしかない。


イルミネーションをこれでもかとつけてギラギラ光る町並みは、ここ数年なにを競っているのか知らないがどの地域でも見られるようになった。


とか言ってな。
やさぐれたくもなりますよ。



「あー、もう今日は店閉めっか。店長疲れちゃった」


お客さんの前で堂々とそんなことを言っちゃう店長はもう本当にダメ人間です。

あたしに勝るダメ人間です。



「ほら店長そんなこと言うとお客さんビックリしちゃうから。常連さんならまだしも、新規のお客さんが『え、マジかよ』みたいな顔でみてるから。あ、この人本気で言ってるわけじゃないんで、気にしないでくださーい」


「は?俺がいつ本気じゃないと言った?」


「じゃあ閉めるんですか?このかき入れ時に?こんなにカモがたくさんいるのに?」


「お前な、たとえ思っても客に対してカモとか言うなよ。流石にそれは店長さんも引いちゃうよ」


「店長が引いちゃったら誰があたしを構ってくれるんですか」


「俺も別にお前に構ってるわけじゃねーけどな」





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