鬼畜店長
ぶらり旅でいらっしゃる。

「店長店長店長!」


午前1時、ようやく<close>を出すことが許されたなんだか良さげなバーには、今日も今日とてあたしと店長の2人が残っていた。



ラストの業務は会計関係だとか、ホールとキッチンの片付けだとか結構やることが多いのだが、今となっては他のスタッフがいる時よりも店長と2人の方が早く作業が終わる。




「…おーし、あと閉めて帰んぞー。」


「なんと!ついに反応すらされなくなっただと?!」


「なんでスルーされてんのにそんなうるせぇんだよ。意味わかんねぇよ。」


「うるせぇのが標準装備ですので。今更気にしたところで仕方のないことかと。」


「びっくりするほど傍迷惑な標準装備だなおい。」



「自覚はありますとも。」



「話があるのはわかったが、無駄口叩く前に片付けはしろよ。

いつもより遅くなったらまたバイトに降格すっからな。」



「うぇぇ!店長そんな殺生なー
バイトに降格されたらあたし路頭に迷いますよ?次の就職先探さなきゃなー」



「なら口動かしてないで手ぇ動かせ。お前終わらなくても俺のところ終わったら先帰るからな。」


「ダメっすよそんなのー。

こんなに夜遅くに1人で歩いてたら店長がどこぞの誰かに襲われちゃいますよ?危ない危ない。」


「…なら俺を守るためにも早く仕事終わらせろ。」



「はーい。がんばりまー。」







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