鬼畜店長

「突然来てしまってすみませんでした。」


「いいよいいよ。顔見せに来てくれるだけで僕らは嬉しいからね。

しかもこんないいお酒もらっちゃって、なんだか悪いねぇ。」





次の日の昼前に家を出発して、電車に揺られて1時間半。

久しぶりに我が家に帰ってきた。


相変わらずうるさい我が家だが、お父さんののんびりペースは誰にも崩せない。





「お仕事は大丈夫だったのかい?昨日も遅かったんだろう?」


「道中爆睡してきたから大丈夫!今日も間に合うようには帰るから!」


「あらま、じゃあ夕飯は食べていけないの?!」


「まぁ無理だわねー。6時前には出発しないと。」


「えー!今日二人がくるって言ったからお母さんいいお肉買ったのに!」



お母さんには母の日に花とお菓子セットを贈った。

弟情報によるとお菓子セットは瞬く間になくなってしまったらしいけどね!


主にお母さんの体内へと吸収されていったんだろうね!




「今度またゆっくりしにくるから、そん時はもっといいお肉買っといて!」


「わかったわよ!今日はじーちゃんばーちゃんにも参加してもらって盛大に焼肉大会するからいいよ!」



焼肉大会ってなんですか!

そんな面白い大会が実家で開催されていたとは!



「店長さんもぜひ時間のある時はいらしてね。
今日はきっとこの馬鹿娘が何かわがままを行って来たんでしょう?うちの馬鹿娘がいつものお世話になってます。」



見事にばれてるぜ。

そうですよ!
あたしのわがままでございますとも!



「いえいえ、俺もできるならば直接お会いして渡したいと思ってましたので。」



「そう言ってもらえるとありがたいわ。」



爽やか笑顔でそんな切り返しをした店長。

そんな店長に母親は今日もめろめろだ。



「店長ったら猫かぶっちゃって!」


「なにか言ったか?あ?」


「すみません言ってません。」



「あらー仲良しでいいわねー!」






< 234 / 244 >

この作品をシェア

pagetop