鬼畜店長
「おい、なんで涙目?」
「心の汗です。」
「汗かくほど仕事してねーだろお前。」
「こんな時でも店長って鬼畜なんっすね。そりゃフラれるわ。」
今更すぎるけど、こんな鬼さんあたしだったら嫌だなあ。
「あのな、普通に泣き出す女に鬼畜したってつまんねーの。いつもへらへらしてる奴を泣かすからおもしれーンじゃねーか。」
「そんな鬼畜講座受けてもこの先なんの役にも立つ気がしないっす。」
てか言ってること最低よこの人。
鬼畜ってもう認めてるのね。自覚があるんならまだ安心だ。
「お前はいつもへらへらしてろってことだ。」
「なんであたしが店長に鬼畜されなきゃいけないんですか。」
そういう遊びは彼女とやりなさい。
「そんなんお前がこの店の従業員だからに決まってンだろ。」
ですよねー。この店にバイト面接受けにきちゃったあたしが間違ってましたよねー。
「…ほんともう辞めようかなこのバイト。」
店長マジ神っすとか言ってる場合じゃなかったわ。