鬼畜店長


「辞めてもらっても大いに構わねーが、今辞めたら店長特製☆ホワイトデースペシャルはお預けだな。」


「店長マジ神っす!こんな素敵な店辞めれるわけないっす!」



いやーなんだろうなー店長スペシャル!たのしみだなー!

やっぱあれかなー、スペシャルって言うくらいだもんケーキとかかなー!


ーーー


そして店長スペシャルだけを心の支えに仕事をし、表に≪close≫を出すことが許された午前1時。

店の片付けまで済ませて制服から私服へと変身を遂げたあたしは、店長スペシャルが出てくるのを今か今かと待ち望んでいた。



「あ?お前なにしてんの?さっさと帰りやガレ。」


「え?店長スペシャルは?!」

忘れたとは言わせないぞ!



「あー、忘れてた。」

言われたー!



「ちょい待っとけ。」


うん待つー。あたしいつまでも待つわー。


「はい、枝豆☆」

「…おかしいなぁこのやり取りクリスマスにもみたよあたしは。あぁこれが世に言うデジャヴってやつか。」


コノヤロウ!誰が枝豆のためにいつまでも待ってやるかっつーんだよ!



「店長特製じゃないの?!その枝豆店長の自家栽培とかじゃないでしょ?!」


「うるせーなー。店長特製はこっからだよ。」



あーなるほどね。これから主役登場ね。
何かなーやっぱケーキかなー。


「はい、生一丁☆」


「特製感ゼロなんですけどコノヤロウ。」


「いらねーならいいよ折角店長のおごりだったのになコノヤロウ。」


「さーせんした。コノヤロウなんて言ってさーせんした。」




あぁこれもデジャヴってやつね。
いわゆるデジャヴってやつね。




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