鬼畜店長
店長の言うとおり、クリスマスという今日。
このなんだかよさげな雰囲気を漂わせてるバーは大盛況なのだ。
正確にはダイニングバーと言えばいいのか。
客と言えばかっぽーかっぽーかっぽーかっぽー。
……爆発しないかなぁ。
「おら、さっさと運べ。」
店長顔がこわいっす。
不機嫌全開でこっち見ないで!
「あー、ひま。」
いやいやいや暇じゃねーだろ明らかに!
なに1人現実逃避の旅に出てんだよ!
「店長、しっかりしてくださいよー。あたしだって現実逃避したいんっすから。」
「逃避なんかしてねーよバカ。よしお前爆発しろ。」
理不尽!
「残念ながら当分爆発する予定はありませんので。店長が爆発してくださいよ。彼女もちなんだから。」
「馬鹿ヤロー。俺はなぁ…立派な、立派な独り身だよこんちくしょう!」
「え、店長彼女さんいたじゃん。
あの綺麗なおねーさんは彼女じゃなかったのか?」
「クリスマス直前に逃げられましたとさ」
うっわぁ可哀想。
「てめぇ、哀れんだ視線よこすんじゃねーよ!空元気に働く俺を慰めろ!」
「店長ガンバ!」
「うっせーてめぇに慰められてもうれしくねーんだよ!!」
なんて横暴なんだこの人間は!
さてはバカなのか。バカなんだな。