鬼畜店長
「おー、お前、もう上がって良いぞ。」
時刻は21時を回り、お客さんの出入りが激しい時間帯になって、店長がそんなことを言い出した。
何を言っているんだこの人は。
あたし今日ラストなのに。
「先輩!怪我したって聞いたんですけど、大丈夫ですか?!」
「あれ?なんで?」
なぜ今日お休みのワンコがいる?
「俺が呼んだんだよ。お前、足引きずって歩くの見苦しいからもう帰れ。」
「み、見苦しいって…!酷いわ店長!」
「知らなかったのか?」
「知ってたけど!!」
「それ、結構痛いんだろ?さっさと帰って湿布はってはよ治せ。この新人だけじゃ使い物にならん。」
「店長!そんなこと言わないでくださいよ!使い物になってないかもしれないけど、おれだって頑張ってます!あ、先輩、こんなこと言ってますけど、店長実はs…」
「俺はお前と戯れてる暇はねぇ。さっさと帰れ。それと、明日は来なくていいから。てか、腫れ引くまでくんな。」
店長…なんて、なんて不器用な心配の仕方なんだ!!
心配なら素直に心配って言ってくれればいいのに、そんな心配のされ方したらなんか逆に恥ずかしいって言うか、心くすぐられる!
「店長、お言葉に甘えて今日は帰ります!店長ダイスキ!!」
「先輩!おれは?」
なんだって可愛いこと言うなお前!
「ワンコもスキだよ!休みなのにありがとうね。」
今日は痛い思いしたけど、ワンコに癒されたし店長のツンデレ見れたから満足だ!
いつもああだったらいいのに!!
END