鬼畜店長
薄情でいらっしゃる。
「店長、ちゃんと母の日にお母さんにカーネーション贈りました?」
「あぁ?母の日?」
「そーですよ!今日は母の日、母の日と言えばカーネーション!」
「あー、贈ってねぇな。」
「薄情な息子だわーお母さん泣いちゃうわー。」
「いやぁもう27の息子に花もらってもな。」
「嬉しいと思うけどなー。だっていくつになってもお母さんはお母さんでしょう?」
「……お前にそんなまともなこと言われると不安になるわ。」
「それってどー言う意味でしょうか。」
「明日銛とか降らねぇだろうな?」
「そこなんで槍じゃなくて銛チョイスなんですか。なにその微妙なこだわり。」
「槍より銛の方が強そうだろ。」
「そこの違いちょっとよくわかってないっす。てか店長、話の観点がずれていく流れですよこれ。」
「お前に軌道修正されると腹立つのは何でだろうな。」
「本人に聞いても答えは見つからないと思いますよ。」
「そんなことより、母の日だっけ?なに、花贈ればいいの?」
「自分でふっといてそんなことって……いや分かってるけどさ?店長がそんな人間だってことは分かってるけどさ?」
「あ?何ぶつぶつ言ってんだ?」
「いや、何でもないっす。カーネーションにメッセージと写真でも添えて贈ったら喜んでくれると思いますよ。」
「……明日にでも買って送るか。」
「写真撮影なら任せてください!」
「お前には頼まねーから心配すんな。」
END