鬼畜店長
六月病でいらっしゃる。
「あー、五月病だわー。」
「もう6月だけどな。」
ゴールデンウィークが懐かしい6月中ごろ。
今日もあたしは健気に働いております。
元気かどうかを問われれば素直にうんとは言い難いですが。
「もうねー、なんもやる気でないっすよー。」
「言っておくけどな、五月病ってもともと新入社員とか新入生とかが新しい環境に慣れないなーみたいなとこからくる疲れとかのこと言うんだからな。」
「え、そうなんですか?じゃああれっす。六月病。」
「…小学生みたいなこと言ってんじゃねーよ。なんでもいいからきりきり働け。」
「だってぇー。最近雨ばっかりでお客さんも少ないし?雨だとなんかテンションも下がるし?洗濯物も乾かないし?部屋干しだと生乾きだし?これ完全に六月病ですよ。店長治してー。」
「それ完全に梅雨ってやつだろ。梅雨が明ければイヤでも治るだろうよ。くだんねぇこと言ってないで手を動かせ。」
「店長あたしはもうダメです。使い物にならないクズです。お家に帰っていいですか?」
「…使い物になんねーかどうかは俺が決める。お前そんな簡単にサボれるとでも思ってんのか?あ?」
「…思ってましぇん。がつがつ働きまーす。」
雨で気分はブルーまっしぐらテンションガタ落ちですが、せめて使い物になるよう頑張って働かせていただきます。
「お客さん少ないといいな…」
「そしたらお前の給料に響くがまぁ問題ないよな。」
「お客さんいっぱいこーい!ばっちこーい!」
こんな元気のないあたしから給料まで逃げないで!
END