鬼畜店長
大人の色気でいらっしゃる。

「うーみーはーひろいーなーおーきーいーなー」


「おい、うるせえぞ。」



「つーきーは東ぃーにー日はにーしーにー」



「…そんな歌詞でしたっけ?」


「え、違ったかな?」



今日は海の日、国民の祝日。


でもあたしのシフトには、18:00~24:00の文字。



国民の祝日に休みをもらえないあたしは非国民ってわけですか店長。

そんで、24:00と書いてあってもどうせラストまでいることになるんでしょ店長。


残業代はしっかりもらいますからね。




「じゃあわんこー歌ってみてよ」


「え、オレですか?

えーと、うーみーは広いなー大きいなー月―が―昇る―し日が沈むー…ですよね?」




「わんこお前歌うまいな!」


「え、いやそんなこと」


「いや上手いよ。俺が言うんだから間違いない。」


「そうそう!店長も歌うまいけど、わんこはそれより上手だね!」


「あぁ?てめーはびっくりするほど音痴だけどな。」


「店長、あたしはちょっと音を取るのが苦手なだけですよ。」


「それを世間様は音痴っていうんだよ。」


そうだったのか。


なんか前も同じやり取りをアイツとした気がする。

みんなして人を音痴音痴って、失礼な奴らだよ。






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