鬼畜店長


「あ、おい、見ろよ。彼女帰っちまったぞ?」


「えぇっ?!」



カウンターの下から頭だけ覗かせた状態でさっきの席を見ると、うなだれたイケメン野郎が一人イスに座っているだけだ。



先ほどまで埋まっていた前の席は空席。

おいおいまじでただの修羅場じゃねーかこれ。



「…お前、なんとかして来いよ。」


「えぇ?!嫌ですよ!!」


「はぁ?!お前がケーキにあんなこと書くから悪いんだろ?!」


「違いますよ!あたしケーキ見せる間もなく別れましょうって言ってましたもん!!」




「すいません。強めの酒もらえますか?」



「「うわぁ!!」」



お前、いつの間にカウンター席に移動してきやがったんだよ?!


いきなり声かけられたらびっくりしちゃうじゃないかバカ!!





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