鬼畜店長


「今時の若者は切り替えが早いねぇ。」


「若者って…店長さんだって若者じゃないですか。」


「いやー学生さんからしたらおっさんだよおっさん。」


「こんなカッコいいおっさんいないですよ。」


「俺のことはどうでもいいんだよ。お前、アイツのどこ好きになったわけ?」


「えー、そんなこと聞きますー?」


「いいから教えろよ。」



「…なんか、あれ聞いちゃってから、その、アイツからの愛とやらを意識したら、すげーアイツのこと可愛いってか健気だなってか、愛くるしい奴だなぁって思っちゃって、いや、たぶん前から無意識に感じてはいたんですよ?

だから構いたくなるってか、余計放っておけなくなってですね……

あと、アイツ馬鹿みたいに素直じゃないですか。さっきケーキもって来る前とか見ました?

あのなんかイタズラしてやろうってのがもう前面に出てて、ああ馬鹿だなぁとか思って…」




「…お前、大好きじゃねぇかアイツの事。」



「そのようですねぇ。」


「随分他人事だな。告んねぇの?」


「アイツは今の関係を壊そうとは思ってないみたいなんで。」


「だからって何もしないのか?」


「俺も、今の関係が居心地いいと思ってます。でも、ここで終わる気もないです。」




< 83 / 244 >

この作品をシェア

pagetop