鬼畜店長
「今時の若者は切り替えが早いねぇ。」
「若者って…店長さんだって若者じゃないですか。」
「いやー学生さんからしたらおっさんだよおっさん。」
「こんなカッコいいおっさんいないですよ。」
「俺のことはどうでもいいんだよ。お前、アイツのどこ好きになったわけ?」
「えー、そんなこと聞きますー?」
「いいから教えろよ。」
「…なんか、あれ聞いちゃってから、その、アイツからの愛とやらを意識したら、すげーアイツのこと可愛いってか健気だなってか、愛くるしい奴だなぁって思っちゃって、いや、たぶん前から無意識に感じてはいたんですよ?
だから構いたくなるってか、余計放っておけなくなってですね……
あと、アイツ馬鹿みたいに素直じゃないですか。さっきケーキもって来る前とか見ました?
あのなんかイタズラしてやろうってのがもう前面に出てて、ああ馬鹿だなぁとか思って…」
「…お前、大好きじゃねぇかアイツの事。」
「そのようですねぇ。」
「随分他人事だな。告んねぇの?」
「アイツは今の関係を壊そうとは思ってないみたいなんで。」
「だからって何もしないのか?」
「俺も、今の関係が居心地いいと思ってます。でも、ここで終わる気もないです。」