【完】小野くん症候群

『好き』なんです。

告白

あたしの名前は内田紗和(うちださわ)

高校１年生。

ちなみに片思い歴8ヶ月。



この前、思いが募り募って爆発しました。



「小野くん、つ…付き合ってください。
あ、待ってその前に好きです！」
「ごめんなさい」


告って即効振られました。

内田玉砕です。


でもそこは内田なのでめげません。

内田を舐めてはいけませんよ。



「と…友達からでもいいので…！」

「後ろ向きに考えさせて下さい」


友達申請すら遠まわしに断られました。

あまりにも脈が無さすぎて、涙すら湧いて出てきません。


小野くんが腰掛ける机が
微かに音をたてる。



「うん、じゃあもう帰るから」

「どうしてもダメですか！」


陽の隠れきった誰もいない教室。

そんな小野くんをここまで呼び止められたのは奇跡と言っていいほどの貴重なことで。



そんな貴重な時間を、こんな簡単に終わらすのが惜しかった。