【完】小野くん症候群
あたしも行っていいかな。
たったこれだけの言葉を言うだけなのに。
言った後の相手の反応に
怖がって言い出せない臆病な自分。
「あ、あのね小野くん」
「だからなに」
──────ドクドクドク。
喉元すれすれで言葉たちが
空中に放つことに抵抗している。
「あたし…も…い…っいっしょ…に」
「…一緒に?」
「一緒に行きたいです!」
「っ」
あ、い、言えた!
目を真ん丸くしたまま動かない小野くん。
見る見る赤くなるあたしの顔。
言えたけれど駄目かも。
断れちゃうかもコレ。
断れちゃうのかあたし。