【完】小野くん症候群





エナメルバックを肩にかけ
迷いもなく扉へ向かう小野くんは


最後にこちらを振り向いた。



「俺、巨乳で年上風の
美人がタイプなんだよね。」


!!??


ガンッと金槌で頭を殴られたみたいな鈍痛が体に走る。

め…めげるな内田。


よろめく体を必死に奮い立たせる。




「つ…つまりタメの時点であたしは無理だと」


「や、タメだけどお姉さん風の巨乳」




何が凄いってこんなに涼しい顔で
巨乳を連呼するところだろう。



あたしはただただ遠ざかってく小野くんの背中を見つめることしか出来なかった。






小野由良(おのゆら)くん、高校1年生。


容姿端麗。

性格は無口でクール。




たった今ここであたしの脳内に
小野くんの新しい情報が入った。



小野くんはお姉さん風の巨乳好きと。

どんな情報だよと白目を向いたのは言うまでもない。



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