【完】小野くん症候群
「小野くん!」
「っ」
「あたしに仲間意識持たないでよ!
確かにあたしは小野くんと仲良くなりたいけれど、でも別に友達になりたくて此処にいるわけじゃない!」
最終的になりたいのは
友達じゃなくて彼女なんだよ。
ここに行きたいと思ったのは、此処にいれば小野くんの色んな表情が見れるから。
それだけの理由でここに
来るのはやましいことかな。
「あ゛ーっ、もう。
あたしじゃどうしても無理なの…?」
どんなに側にいたって、この先も小野くんは私を見てくれないの?
あたし欲張りだから見返りを求めない優しさはあげられないよ。
好きという気持ちを添えて返してほしい。
「ううう小野くんのどんかぁん!」
「は!?
お前泣くなよっ、こんなとこで」
「小野くんこそこんなとこで
陽気にカプセル開けないでよ!」
「買ったその場で
開けるのが鉄則だろーが!」
「知らんわああ」
クールじゃなくてもいい。
お喋りでもいい。
紳士的じゃなくてもいい。
小野くんがいいの。
小野くんがいいよ、わたし。