【完】小野くん症候群
さっきまでルンルンとカプセルを開けたりベンチでそれを転がしていた小野くんは今私の涙目な姿にタジタジになっている。
「わ、悪かった内田。
俺が言い過ぎたごめん」
「ぜんっぜん分かってない」
言い過ぎたって何をですか。
そうじゃなくって!
「あたし、迷惑…っ?」
ぽろぽろ、ついにはそれらが溢れて。
確かにあたし
貧乳だし
美人じゃないし
背も高くないし
こうやって小野くんに
しつこく言い寄るし。
でも、でも…
小野くんをあきらめたくないから
あきらめる勇気があるなら
もう少し頑張ってみようかなって。
ずっとそれの繰り返しで。
「小野くん、やっぱり美人で巨乳でお姉さん風の人じゃなきゃダメなの…?」
あたしにも理想があるように
小野くんにも理想がある。
その理想の人がいいとするなら
あたしは絶対迷惑だろう。