【完】小野くん症候群
曖昧なキス
──────PM18:56
「小野くんってどこ住み?」
「んー佐野市」
「え、学校から近いんだね。あたし横田市」
「内田もそこそこ近いじゃん」
チョコの余韻が残る口内。
もっと甘い物が食べたくなってきちゃった。
「…小野くんの好きなタイプは?」
「好きなタイプ?
なんだよいきなり」
「できれば外見じゃなくて内面で」
「内面? んーよく分かんね。お前は?」
「え。ぉ…小野くん」
「それ答えになってねえよ」
ボフッと小野くんの
大きく骨張った手が頭に触れた。
このとき小野くんは、どんな気持ちであたしの頭に触れてるのかな。
小野くんもあたしみたいに
ドキドキしてくれてるのかな。
してくれていたらいいな。