【完】小野くん症候群
──────カァァアア…
頬が急に熱くなったのを
あたしは俯いて誤魔化した。
今までこういうこと内心で思ってても決して口に出したりしなかったのに。
「ぁ、ぅ、あたし、
ホームで電車待つね!」
さっきまで少しでも小野くんと一緒にいたかったのに、今は少しでも早く小野くんの前から消えたい。
でもそれはすぐには叶わなくて。
立ち上がったあたしの腕を小野くんの手が掴んだ。
「…えっ」
「なんかもう、分かんない」
「───お、おのくっ」
金縛りにあったように固まる身体。
小野くんの方へ 少しだけ引き寄せられ
徐々に近づく小野くんの顔。
吐息が交じり合う。
「ってだぁぁああ俺帰る─!」
───────ゴンッ
「っいだ」